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エキサイティングなミドルクラス・スーパースポーツ
ラムエア加圧の過給効果で高性能を発揮
唯一オーバー600ccエンジンを搭載し人気を呼ぶ
ライトウエイトな車体で高度な戦闘力を誇る
自由自在に扱えるスーパースポーツ
その最右翼マシンとして侮れない人気を集めている |
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かつて日本のバイク市場がとても元気良かったころ、レーシングマシンのイメージがふんだんに盛り込まれた。スポーツモデルとして80年代後半のマーケットをエキサイティングなものにしてくれていたのが、レーサーレプリカと呼ばれたバイクたちだった。だが、90年代の日本において、そんな過激な高性能バイクは、すっかり飽きられてしまう傾向に陥ってしまったのだ。
一方、欧州を中心としたマーケットでは、市販車をベースにしたレースが開催され人気となる。とくに1000ccマシンを用いた、最高峰カテゴリーのスーパーバイクレースのベースマシンの人気は高かった。その人気と二分したのが600ccミドルクラスだ。
このミドルクラスの良さは、思いきりエンジンをまわし、その性能を存分に発揮できる点。絶妙なエンジンパワーと手ごろな車体サイズ&重量に、高い評価が寄せられていた。
この特性から、モータースポーツに参戦するマシンとしても親しみやすい。そんな背景もあり、よりレベルの高いミドルクラススーパースポーツモデルの開発にも各社が力を入れだした。
カワサキはかつてZXRシリーズを販売していたが、それとは別のブランニューモデルとして95年に投入。ZXー9Rの弟分として発売されたのが今回のZXー6Rである。
この時を境に、カワサキのZXR シリーズは、オーバーラップしながらもZXーRシリーズへと移行していったのだ。
残念ながらこのクラスのモデルは輸出専用モデルとして販売され、日本では逆輸入車として流通した。
ただし、国内市場には、レース参戦専用のモデル(レーサーへの改造ベース車両)として限られた台数が正規販売されたことも見逃せない。
さて初代ZXー6Rは、今にして見れば、ZXR系とZZR600の間をとったようなデザインだ。車重はZXー9Rより軽量な182kg。アルミペリメターフレームには、サイドカムチェーン方式のDOHC16バルブ4気筒エンジンを搭載。 100馬力/1万2500回転の最高出力を誇った。
右出し1本のブラックマフラーやリザーバータンク付きのアジャスタブルリヤショックを備え、贅沢なスポーツ道具としてのキャラクターを確立したのだ。
そしてZXーRというブランドネームが、より明確なスーパースポーツモデルとして、エキサイティングなキャラクターを極め出したのは、97年に登場したZXー7RとZXー7RRの登場に端を発している。ZXー6Rはエンジンの最高出力が105馬力まで高められるなど、小変更が積み重ねられた。
そして、21世紀到来を翌年に控えた00年に、イメージリーダーであるZXー12Rの登場にならい、カウルのノーズ先端に大きく口を開けたエアダクトを採用した新型を投入。
デュアルヘッドランプを採用した凄みのあるフロントマスクに変身。搭載エンジンもアルミ製ライナーレスシリンダーを採用し、12.8対1と言うハイコンプレッションを得て、111馬力を発揮した。
さらに02年型で、レース参戦を考えない一般ユーザーをターゲットに、従来の599ccから636ccに排気量を拡大した。このことにより、スロットルレスポンスに優れた扱いやすいモデルとして、市場では大きな人気を集めることとなった。
そして03年には、さらにエキサイティングなモデルへと変貌をとげる。前年度まではキャブレター仕様だったのが、フューエルインジェクションを採用。ブレーキや足まわりを含め車体も完全に見直された。
その後、05年で刷新。07年では小排気量クラスの運動性能を鍵に、スーパースポーツクラスを超えたコーナリングスピードを手に入れた。まさに歴代最高のサーキットパフォーマンスを手に入れたのだ。 |
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