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世界最速を課せられたカワサキのフラッグシップモデル
怒濤のパワーとスピードを持ちならがらも意外にもフレンドリーな性格も持つ
誕生以来、多くのファンを獲得し世界中で愛され続けている
夢と思われていた300km/hという速度を現実味あるものにしたモンスターマシン
その過去から現在までを見てみよう |
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カワサキがリリースする豊富なバリエーションのなかでも、ハイエンドモデルとして君臨。スーパースポーツとして世界最強レベルの高性能と、グランドツアラーとしての快適性を併せ持つのが特徴だ。ZZRは、まさに同社が誇る至高のフラッグシップモデルである。
カワサキが世界最速最強の名を勝ち取ったのは、73年デビューのZ1に端を発している。空冷DOHC4気筒903ccエンジンを搭載した堂々たるスポーツバイクとして、北米市場を中心にヒット。カワサキというブランドネームを世界中に轟かせることに成功した。
84年に登場したGPZ900R Ninjaで、よりたしかな評価を獲得。世界中で得られた高い人気は、その後も根強く続き、20年におよぶロングセラーモデルとなったのはよく知られている。
ちなみにNinjaはフロントに16インチホイールを採用し、低く身構えたフォルムに個性的な迫力を漂わせていた。エンジンを露出させたフルフェアリングを装備。当時としてはエアロダイナミクスに優れたフォルムも幸いし、サイドカムチェーン方式の水冷908cc、115ps のエンジンを搭載し、最高速度は一気に250km/hオーバーの世界に突入した。
86年、フラッシュサーフェス化でより進化したエアロフォルムを身にまとい997cc、125psエンジンを搭載したGPZ1000RXを投入。自ら世界最速レコードを更新したのだ。
さらに翌87年には、アルミeーBOXフレームを採用してスポーツ性を強化。車重はRXの238から222kgへダウン。そしてエンジン出力を137psに向上させたZXー10を登場させた。ゼロヨンは10・5秒で走りきり、最高速度は270km/hレベルに向上。他の追随を許さなかったのである。
そして90年、ついにZZRが登場する。Ninjaから進化してきたZXー10のエンジンは、さらにボアを2mm拡大し、排気量を1052ccにアップ。最高出力は147psまで高められた。
ZXー10を進化熟成させたZZR1100はカワサキのフラッグシップにふさわしいモデルとして世界のバイクフリークたちから高い評価と人気を集めたのだ。
余談ながらZXのネーミングは、94年に登場したZXー9Rへと引き継がれ、やがて実質的な最速マシンとしてはレーシングマシンに近いスーパースポーツとしてZXー10R〜12R へと引き継がれる。
しかしカワサキのハイエンドモデルとして、ZZRの評価とステータス性に揺るぎはなかった。順次熟成進化が重ねられ、ロングセラーモデルとなっていったのだ。
02年にはアルミツインチューブフレームを採用し、フルモデルチェンジ。ZRX用エンジンをベースに、改良を加えた1164ccのエンジンを搭載するZZR1200が登場。
そして06年。満を持して登場した最先端モデルが、ZZR1400だ。東京モーターショーのカワサキブースで多くの観客の熱い視線をくぎ付けにしていた光景はまだ記憶に新しい。つまりZ1から脈々とつながってきたカワサキが誇るフラッグシップモデルとして、最強最速の座を担う至高のスーパースポーツモデル。
だれにも負けないポテンシャルの高さを秘めながら、高速快適ツアラーとして走らせられるところに、大きな価値と魅力があり、ユーザーにはかけがえのない喜びを提供する。
高回転高出力の追求はエンジンのショートストローク化の歴史でもあったが、今回はスクエアに戻す方向に改善されているのも見逃せない特徴。ショートストロークに違いはないが、ボア・ストロークは84×61mmの1352ccに設定。最高出力は、なんと190psを発揮。アルミモノコックによる車体は215kgという軽さも達成。また新たな世界最強モデルとしての道を歩みだしているのだ。 |
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