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ZZRは世界に認められたスポーツツアラー
カワサキが誇るフラッグシップモデルの
末弟として登場したZZR250
ツインエンジンを搭載し気軽な乗り味を発揮
現在は貴重なフルフェアリングモデルとして
根強い人気を維持している |
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ZZRはカワサキが誇る旗艦ブランド。その末弟として400とともに1990年に登場し、現在も継続販売されているロングセラーだ。
同ブランドの筆頭モデルは1100から始まり現在は1400へと進化。つねに世界最高峰のパフォーマンスを誇り多くのバイクフリーク達を魅了してきている。
ZZR250は1100や1200のデザインをフィードバックし、400や600とともにシリーズ化されたものだ。ただし搭載エンジンは並列4気筒ではなく2気筒エンジンがマッチされている。 そしてZZR250は、基本的に初代モデルのまま18年間にわたり、世代交代は行われていない。小変更で熟成が積み重ねられてきたのみなのだ。
また現時点において、同クラス唯一のフルフェアリングモデルという点も見逃せないだろう。スポーティなツアラーとして、またコミューターとしても使いやすいキャラクターを備えながら、高速クルージングを快適なものにするたしかなウインドウプロテクション効果を発揮する。
普通二輪免許で乗る事ができるクラスにおいて、そんなカテゴリーのバイクは今や貴重な存在である。事実、国内ライバル3社のラインアップには、すでに同様なモデルは見当たらない。ZZR250はもはや独壇場の魅力を放っているのだ。
簡単にそのルーツを探ると、1985年の第26回東京モーターショーで参考出品。翌年新発売された、GPZ250Rにたどり着く。
Z250FTから進化を重ねた4ストロークのクォーターツインエンジンは、このときに新開発された右サイドカムチェーン方式の水冷DOHC4バルブエンジンに進化した。ZZRにも基本的にはこのときの水冷ツインエンジンが流用されてきているのだ。吸排気側それぞれのカムを持つツインカムは直打方式で4バルブを制御。また一体式クランクシャフトの前方には1軸式のカウンターバランサーも備え、振動低減化が図られていた。
余談ながらGPZ250Rは、タンクカバーから一体成形されたフレームマウントのハーフカウルを採用。当時としてはじつにスタイリッシュなライトウエイト・スポーツクォーターとして登場し、市場に新鮮なインパクトを与えた。赤色の標準シートのほかに白、黄、黒のカスタムシート(同色のニーグリップカバー付き)が用意され4色の車体カラーと組み合わせることで16通りのカラーコーディネーションが楽しめたことでも話題を集めた。
さてZZR250は、前述のGPZ250Rの後継車として1987年1月に発売されたGPX250Rを経て、つぎを担うモデルとして登場。90×30mmの日の字断面をもつアルミ押し出し材を使用。ワイドなプロポーションにデザインされたダイヤモンドフレームに、前述のツインエンジンを搭載。スチールのリヤフレームはボルトオンで組み合わされていた。
ヘッドランプもウインカーもフラッシュサーフェス仕上げされた流麗なカウルデザインや、斬新なミラーステーを採用したエアロフォルムはクォーターモデルとしては立派に見える堂々の車格を醸し出す。
スーパースポーツの座はZXR250に譲ることができたこともあってツアラーとして快適な出力特性を追求。足着き性に優れたシート高や、比較的アップライトなライディングポジションと相まって、だれにでも乗りやすい万能スポーツツアラーに仕上げられたのが魅力的だ。けっしてパワフルではないが、高回転まで伸びのいい出力特性で市街地から高速まで快適。唯一クルージング時のエンジン回転数が高く少々騒々しい乗り味が難点とされていたが、現在はドリブンスプロケットが47〜44丁に変更され乗り味や騒音面も改善されたものになり、兄貴分と同様に、完成度の高いモデルに仕上げられたと言えるだろう。 |
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