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人気の高いハーレーのモデルのなかでも
とりわけ高い指示を受けているスポーツスター
そのハーレーらしからぬスリムなスタイルに
スポーティなエンジンは街なかでも小気味いい
そんなスポーツスターの過去から現在までを見てみよう |
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アメリカを代表する名門ブランドとして有名なハーレー・ダビッドソン。その歴史は1903年から始まり、すでに1世紀を超えている。横置きの空冷45度V型ツインエンジンを搭載する堂々たるスタイリングは、ハーレー・ダビッドソンを、そしてアメリカのバイクを象徴するデザインとして世界中に広く知れわたっている。
創設当初は前傾の単気筒エンジンを搭載したが、1909年にはモデル5Dと呼ばれた初代Vツインモデルが登場。ハーレー・ダビッドソンが誇る45度Vツインの歴史は、そのときから刻まれてきているのだ。
現在同社のVツインエンジンは、ツインカム88(1450cc)とV2エボリューションの2タイプが基本。そして2001年には新たに水冷60度VツインDOHC4バルブの1131ccエンジンが加わった。
話の的を伝統の空冷45度Vツインに絞ると、別体式ミッションと、クランクケースとミッションが一体化された一般的なタイプの2つがあり、今回のスポーツスターは後者を採用しているのが特徴だ。
本場アメリカで主力モデルとなっているのは、大陸を悠然とクルージングする機能性が追求されてきたツーリング(FLH)系。前者のエンジンをフレームの中でラバーマウントして、振動を逃がしている。
それに対してスポーツスター系は日本で人気があり、ミッション一体式のエンジンをフレームにリジッドマウント。排気量は1200と883 ccの2種類をラインアップ。
もともと、スポーツ性を高めたキャラクターを作りあげることをねらって開発され、多くのレースシーンで活躍してきている。その特徴はエンジンをフレームにリジッドマウントした点にある。
リジッドマウントすると、エンジンブロックそれ自体の塊としての剛性も車体の剛性メンバーに加えることができ、全体としての車体をシッカリと造ることができるのだ。
エンジンのラバーマウントは振動を逃がしてくれるので快適性に貢献するが、その反面エンジンが揺れる(動く)欠点があり、激しい加減速やワインディングロードなどでのスポーティな切り返しでは、車体の中で重量物であるエンジンの動きがスムーズな操縦性をスポイルする要因にもなってしまうため、スポーティな走りを楽しむバイクにはふさわしくない部分があるわけだ。
伝統のFLH(ツーリング)系はその走り方と照らし合わせてもラバーマウントがメリットを生む。しかしスポーティモデルとして1952年に登場したKモデルには、ミッション一体式エンジンをリジッドマウントすることで新たなキャラクターと魅力を披露。さらに1957年にXLおよびXLH スポーツスターが誕生し現在までロングセラーを続けるモデルになった。
とくに日本のマーケットではパパサンと呼ばれた883が、かつて100万円をきるプライスで販売されたこともあり、入門機種としても親しまれているのだ。いかにもロングストロークタイプ・エンジンならではの、ユッタリとしかし確かな底力を発揮する出力特性に、いまだ根強い人気があることも見逃せない。
2004年に実際されたフルモデルチェンジでは、新設計された高剛性フレームに新エンジンをラバーマウント。スポーティなキャラクターをキープしながら、快適性を向上させているのが特徴。
最新の2006年モデルでは、スポーツスター1200ロードスター(XL1200R)にフロントダブルディスクブレーキ装備などで進化。
一見すると何も変わっていないかのような伝統のスタイリングを堅持しながらも、その内容は常に進化熟成の歴史を積み重ねているのだ。 |
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