 |
 |
レースとともに歩んできたドゥカティ
断固としてL型2気筒エンジンにこだわり続け
軽量なトラスフレームと相まって
卓越したコーナーリング性能を発揮する
そんなスーパーバイクシリ−ズの過去から現在を見てみよう |
|
2006年モトGP開幕戦。カピロッシのライディングで見事優勝をさらったドゥカティ。そんな栄光のレーシングスピリットをダイレクトに育んできた直系モデルがある。
極めてレーシーな、純粋に走りのパフォーマンスを徹底追求されてきた基本コンセプトは、サーキットから抜け出してきたようなデザイン。そのキャラクターと乗り味は極めてエキサイティングだ。
古くは70年代でそのイメージを決定付けた750/900SS。これもイモラ200マイルレースで勝利したワークスマシンのレプリカとしてデビュー。L型ツインエンジンとバルブを強制開閉するデスモドローミック機構が話題になる。しかも高速で軽々と身をひるがえして颯爽とコーナーを抜けて行けるスーパースポーツとしての熱き走りが人気に。
その後国産マルチ勢の台頭に一時衰退の憂きを見る。しかしイタリアンスピリットを忘れることなく伝統のLツインとその走りを熟成。再びモータースポーツの舞台で見事息を吹き返して見せたのだ。
TTF2で活躍しチャンピオンを勝ち取ったパンタレーシングから発展させた750F1パンタを1984年に投入。さらにワークスマシンに近づけた750F1モンジュイを発売。標準モデルもよりホットな仕様に熟成され750F1へと進化した。
そのころドゥカティは、多くのバリエーションにトライし日本向けには400ccモデルも用意していたほどだが、ドカティが歩むべき道を再びモータースポーツと直結する戦略へとシフトされていった。
決定的だったのは、日本製マルチ勢にパワーで劣ると思われていたドカティがTTF1やスーパーバイクレースで大活躍。レギュレーションの変更が味方したこともあるが、最高速度やパワーの追求が必ずしも主戦闘力とはならないという事実をサーキットで証明してみせたのだ。
クランクの短さ。横幅の狭さ。車体の軽さ。そしてL型2気筒から発揮される、立ち上がり加速に優れた出力特性が見直され、実質的に必要なパフォーマンスを発揮するドカティの評価はマニアならずも広く知れ渡ることになる。
マルチ一辺倒からドゥカティありという時代の流れを造り、伝統的イメージも相まって、レーシーなバイク造りをする代表的メーカーとして確固たる地位を築いているのだ。
なかでもセンセーショナルだったのは86年の748ボルドール。エンデュランスに参戦し、世界チャンピオンM・ルッキネリ等のライディングで侮れないポテンシャルを披露した。フラッグシップモデルとしては革新的フルカバードフォルムのパッソや907IEをリリースする一方で、主戦力モデルは851から始まる文字どおりレーサーレプリカ系のホットモデルが多くのドゥカティファン憧れの的となっていった。
多くの場合はストラーダとレーシングの2タイプがリリースされる方式。時代とともに888。916、同SP。996、999へと進化。平行して同様なナナハンモデルもリリースされた。設定の高いクロスレシオのミッションや切れ角の少ないステアリング。前傾のきついライディングボジションなどは、まさにレーシングマシンを彷彿とさせる。
終始一貫してイタリアンレッドをメインカラーとし、サーキットで本領を発揮するホットなキャラクターは、今やドゥカティならでの魅力として高く評価されているところだ。
伝統的Lツインのレスポンスに優れたメリハリのある乗り味。頂点のモータースポーツシーンと直結するDNAは、いつの時代でもスポーツ好きライダーが憧れる筆頭ブランドと言っても間違いないだろう。 |
|
 |
|