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HONDA XR400モタード、XR250モタード
KAWASAKI KSR、Dトラッカー
SUZUKI DR-2400SM etc... |
現在のバイクシーンをカラフルにしているモタードモデル
とくに今年は春にかけてモタード系バイクのリリースが目白押し
さらにその流れに拍車をかけそうな勢いだ
そこで国内モタードの源流へのオプショナルツアーも含めて
最近熱い注目を浴びているモタードモデルの
今日、明日を覗きに出かけよう! |
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わずか数年前。「モタード」という言葉はけっしてポピュラーではなかった。しかし、03年にホンダがXRモタードの販売を開始するや、すでに、長いことバイクシーンにあった既成事実であるかのように、「モタード系」は浸透を開始。今現在の人気に至っている。そして、この新興勢力がさらに跳躍の兆し濃厚なのだ。
そもそも、モタードの概念は、フランスやスペインなど、欧州のバイク・ホットゾーンから大きく伸長した新種のバイクカルチャーでもある。デュアルパーパスモデルが持つ「日常の足としての便利さ」を知っていた彼らは、80年代からパリダカルックのモデルをガンガン街乗りにしてきた。だから、前後にロードタイヤを履くモタードスタイルこそ、じつは利にかなった乗り物であったわけだ。そうしたニーズは、モタードスタイルがブレイクする以前、BMWのF650STや、ホンダSLR650などの、オンロード寄りのデュアルパーパスモデルの登場からもうかがい知ることができる。
しかし、そのスタイルができあがったのは、79年にアメリカで始まったエキシビションレースである「スーパーバイカーズ」での出来事。アメリカ国内で人気だったロード、モトクロス、ダートトラックなど多くのバイクレースのシリーズチャンピオンのなかで、真に速いのはいったいだれなのか? というバラエティー感覚で始まったスーパーバイカーズ。開催地であるカリフォルニアのカールスバットに設けられたアスファルト、ダート、そしてジャンプセクションと、バイクレースのすべての要素を含むコースで速さを求めて造られたマシン。それが、モタードモデルの原型だったのだ。
モトクロッサーのフロントホイールを21インチから19インチにサイズダウン。前後にダートトラック用のタイヤを取り付けることで、オン/オフ混成のコースでのポテンシャルを確保するという造りは、一見ミスマッチながら、ワイドで安定感があるフロントタイヤが発する迫力は見る者を引きつけ離さない。ロードセクションのコーナーへの進入時にみせる、ブレーキングドリフトは、既成概念を突き崩すシーンだった。
のちに、このスタイルが90年代のラテンヨーロッパでブレーク。市販車にそのトレンドが注入されたことで、ハスクバーナ、フサベル、KTMなど、オフロードバイクメーカーがこぞってモタードレースにワークス参戦するようになり、そうしたシーンが、DVDなどの映像メディアを通じて日本国内にも登場した。そして、ちょうどエクストリームライディングの伝播にも合致して、モタード人気は日本でもひたひたと広がりを見せたのだ。
モタード系モデルは、オフ車譲りの運動性能と前後に履く小径のロードタイヤにより、高い接地感と軽快なコーナリングワークを実感できる。また、軽量かつパンチのあるエンジンとの組み合わせは、平均速度の低い街やツーリング先の峠道では、思いどおりの走りを引き出しやすいのだ。ヨーロッパのライダーたちが昔から目をつけていた、オフ車を街で使うポテンシャルが、時を経て日本のライダーたちにも伝わった、と見るべきかもしれない。ただ、モタードというパッケージングが、今の時代との符合性に優位に働いたことは言うまでもない。ただの理詰めでは動かない、賢い粋な日本のユーザーも、これなら納得ということなのだろう。これからどんな進化をたどるのか、興味津々なジャンルだ。 |
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