BMWらしい電子制御を投入し、デビュー当時からライバルを震撼させたスーパースポーツ、S1000RRの3代目が登場した。
新作版には上級モデル、HP4が採用していた電子制御サスペンション、ダイナミック・ダンピング・コントロール(以下DDC)を搭載。シャーシ性能も向上された。エンジンは、各部を見直した新型となり、199psの最高出力を発生。本国仕様と同じフルスペックとなっている。
また、空力面の進化も見逃せない。空気抵抗の減少、ロール方向への軽快感も出したボディーデザインにより高速域での運動性向上も特徴だ。
試乗は袖ヶ浦フォレストレースウェイで行った。まず印象的なのが、サスのビギニングからのスムーズさだ。電子制御で常に最適なダンピングを提供するDDCの味付けは、以前のモデルで見られたゴツゴツ感が取り除かれた。ソフトライドながら速度域を問わず接地感も充実している。旋回性も向上しており、特に一次旋回での向きの変わり方が素晴らしい。だから早めにアクセルを開け始めることができる。ブレーキを残しながらの旋回でもその受け止め方が絶妙で、安定感を保ったまま自信をもってアプローチができた。
ちょっと前のモトGPマシン並のパワーも、トラクションコントロールの絶妙な設定のおかげで苦もなく引き出せる。アクセルの開けやすさはピカイチ。これがスゴイ。
どこにも尖った扱い難さを感じさせず、乗りやすい。しかしアクセルを大きく開ければワープするように加速する。スーパースポーツの世界をリードするバイクに出会えた興奮は、いまなお覚めないでいる。
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