今回試乗できたのはサスペンションの長い〈s〉タイプで、シート高は885mm(無印は830mm)。従来モデルから-5kgと発表されている軽量化の主な要因は、完全新設計されたスチール製のツインチューブフレームや、スイングアーム、アルミ鍛造のボトムブリッジなどによるもの。さすがに股下で自在に振り回せる、とまではいかないものの、明らかに細くなったシュラウドもあいまって、細い舗装林道などでもヒラヒラとバイクを寝かしながら気持ちよく駆け抜けられる。
またエンジン特性は吸排気系を見直すことで、従来モデルより低中速域のトルクを向上。よりオフロードバイクらしいエンジン特性を獲得している。クルマの後ろについて低速でゆっくり走っていても苦痛を感じないし、林道のコーナーでアクセルを開けてリアタイヤを軽く滑らせてもコントロール下に収まる。1~5速のギア比をローへ振っていることで、オフロード向けのエンジン特性を補助しているのだという。それでは、高速道路の巡航性能は落ちているのか?と思いきや、6速のみハイレシオになっているらしい。つまり高速道路では6速で快適に巡航でき、街や林道では1~5速で扱いやすく、アクセルも開けられるということだ。
さらにフューエルタンクは+2Lで12Lに増量。燃費性能も向上しているため、なんと燃料満タンではCRF1100Lアフリカツインよりも航続距離は長いという。また、ハンドルバーの両端にはインナーウエイトが装備されており、走行中の振動を軽減。ちょっと乗っただけではわからなくても、長距離ツーリングで使い比べてみれば腕の疲労感が変わってくるはずだ。
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