BMW初のスーパースポーツとして2010年に登場したS1000RRが、2012年モデルとしてモデルチェンジを行った。外観上の変更点があまりにも少ないため、マイナーチェンジと思われているが、この車両はモデルコードも変更されたまったくのブランニューだ。
初登場から3年という早いスパンでモデルチェンジを行った最大の理由は、昨年、一昨年とワールドスーパーバイク選手権で頂点に立つ事が出来なかったから。そのため、新型S1000RRは車体の基本を決定するフレームに大きな変更を施し、戦闘力を大幅に高めた。
走行を開始すると旧型モデルに比べ、全体に軽くなった印象で、バイクがヒラヒラと自在に動く。これには、反力が25%落とされたスロットル、フレームの変更、さらにステムオフセットの変更によって9.3mm短縮されたホイールベースなどが大きく関係している。またセッティング変更によって6000〜8000rpmがトルクフルになったエンジン特性も、バイクを軽く感じることに少なからず影響を与えている。
セールスポイントのひとつである電子デバイスは、DTC(ダイナミック・トラクション・コントロール)に若干変更が加えられ、サーキットで使い易くなった。
この新型と旧型の違いを説明すると、コンフォート感を残し、街中やツーリングユースで使い勝手の良さを感じるのが旧型。対する新型は、キビキビした動きで、サーキットでより真価を発揮するようしつけられている。機会があれば試乗して、その魅力の一端だけでも味わっていただきたい。
|