今、アドベンチャーツアラーがきている。どのメーカーも様々な排気量、価格帯にエンジン形態までこだわった個性派を揃える。このムーブメントの牽引役を務めるのがBMWのGSシリーズであることに異論を挟む人はいないだろう。ここに紹介するR1200GSアドベンチャーは、そのGSモデルの中で特に地球サイズの長距離ツーリングを意識したモデルだ。
500キロを無給油で走破するための30リッタータンク、高地、砂漠や森の中など道さえあれば何処でも走れる走破性能。そこにはベースとなったR1200GSよりも長いサスペンションストロークもおごられている。数ヶ月におよぶ大陸サイズの旅を快適にするシート、フェアリング。走ることを楽しくしてくれるエンジン特性とハンドリング。それらすべてをパッケージしたのがこのバイクだ。
正直このバイクのサイズは乗り手を選ぶ。シートも低くない。が、兄弟車であるR1200GSのパーツを流用することでパーソナライズも可能なので安心を。しかし、走り出すとこのバイク、車体の重さを感じさせない秀逸なシャーシによりコンパクトにすら感じるのだ。パワーユニットは低重心の水平対向エンジン。マスを集中させた車体レイアウトは、BMWの美点。その最新版なのである。
秀逸な電子制御のセミアクティブサス、有能なABSとトラクションコントロールをシャーシ性能向上に用い、明るいLEDヘッドライトも装備し、どんな場面でも乗り手に勇気を与えてくれるのが大きな特徴だ。
冒険を追求し尽くしたこのバイクはギザギザのワイドステップを見ただけで解る。こんなバイクで日帰りツーリングは極上の贅沢に違いない。
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