プジョーと言えば圧倒的に4輪のイメージが強いが、ヨーロッパではスクーターのメジャーブランドのひとつでもあり、歴史は極めて長い。現在、日本国内ではジャンゴ、シティスター、スピードフライト、ツイートの4モデルが展開され、仕様違いを含めるとそのラインナップは22グレードに及ぶ。今回はその中からシティスター125 RS ABSを試乗。既述の4モデルの中、最もフォーマルな雰囲気を持つ、落ち着いたデザインが特徴だ。
車名の通り、排気量は125ccで、10.6kw(14.4ps)の最高出力を発揮する水冷のSOHC4バルブエンジンを搭載。下位グレードのそれは2バルブで、同じモデルで異なるエンジンが与えられているところにプジョーのバリエーションの豊富さがうかがえる。
ホイールベースは1430mmあり、一見すると車体サイズは250ccクラスと遜色ない。ただし、シート高は低く、平均的な成人男性なら両足のカカトは接地。荷室容量を稼ぐため、スクーターは意外と足つきが悪いものだがこのモデルは高い安心感を維持している。
実際の走りにもワンランク上の余力がある。レッドゾーンが始まる11000rpm近くまで快活に回り、速度が上がるほど車体は安定。グランドツアラーを思わせる、しっとりとした巡航性能を見せてくれる。
前後連動のABSやしっかりとダンピングが効いたツインショック(下位グレードはモノショック)も含め、そのハンドリングは上質そのもの。シティコミューターの枠を超えた大人のスクーターに仕上がっている。
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