初代ニンジャ250は10年前に登場、今日の4スト250ブームの火付け役でもある。フレンドリーで街乗りやツーリングに使える一方で、レースにも出場できるスポーツ性を備えていることが大きな魅力だ。
そんなブームの中で、昨今はキャラクターをスーパースポーツ指向に振った強力なライバルが出現。そうなると、今回フルモデルチェンジされた新型は、ライバルに負けないサーキット性能を備えたモデルになると期待するのが自然である。事実、最高出力はクラス最強の37psを発揮、車重は従来型よりも7kgも軽量化、ホイールベース40mm短縮は、ポテンシャルアップされていることに疑いの余地はない。
確かに、この新型250はその期待を裏切っていない。高回転域をキープし、スロットルをこれでもかと開いてパワーを搾り出し、走るのは軽量級マシンらしい面白さでもある。大きく身体を動かさずに、人車一体でコーナーに切り込んでいく走りは、やはり軽量級レーサーを思わせる。コーナリング性能も高まっていて、実際に速い。それだけに、サーキットでは標準のバイアスタイヤをラジアルタイヤに換えたくもなる。
なのに、一般使用で楽しめそうな親近感は健在だ。ポジションはハンドルがやや絞られ攻めやすくなっても、アップライトで快適。低回転域がか弱くなった第一印象があっても、その実、スロットルを開ければ、しっかりダッシュしていく。サーキット性能が高められても、日常性はそのまま。まさに正常進化形であった。
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