スーパーバイク世界選手権王座に君臨してきたアプリリアの最高峰スーパーバイク、RSV4をベースにハーフカウルとアップハンドルを装備し、独自のチューニングを施したストリートファイターとして誕生したのがトゥオーノV41100ファクトリーである。
エンジンをかけると聞き覚えのあるV4サウンド。RSV4よりひと際図太くややこもった感じだ。軽いクラッチをつなぐと、まず出足がスムーズなことに気づく。これはまさに排気量アップしたエンジンの恩恵だ。ツーリングでは回転数を抑えて楽に走れるし、ギア比も加速型になってスタートダッシュも俊敏だ。
電子制御も進化した。フルライドバイワイヤスロットルとなった3種類のエンジンマップに合わせて出力特性とエンジンブレーキ特性が自動的に設定されるが、どのモードでもスムーズさは変わらずにエンジンのレスポンスだけが変化するイメージ。街乗りでは最も穏やかな「スポーツ」モードが気持ちいい。RSV4と比べると前傾が緩く比較的上半身が起きているため、見通しが良く腰や首への負担が少ないなど、ストリートでの使い勝手も悪くない。ハンドリングはRSV4譲りで俊敏かつ軽快だが、一方で車体も少し大柄でゆったりと乗れる安定感も持ち合わせている。
クラス最強のパワーに軽い車体、SS同等の足まわりなど、まさにRSV4の高性能をネイキッドの車体に詰め込んだモデルだ。サーキット性能を優先しつつもたまにはスポーツツーリングを楽しみたい、街中でもクールなイタリアンデザインとV4サウンドに酔いしれたいという人には、是非おすすめだ。
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