2009年のワールドスーパーバイク選手権(SBK)に登場したRSV4は現在までに7回のタイトルを獲得、さらに2015年に登場した最高峰モデルのRSV4 RFはノーマル仕様で争うスーパーストック1000クラスで年間王座に輝くなど高いポテンシャルを証明している。
本国仕様では最高出力201psを発揮する、スーパーバイクレーサー直系の65度V型4気筒エンジンを、ジオメトリー可変機構を備えたアルミ複合フレームに搭載。3種類のエンジンモードやトラクションコントロール機能、クイックシフトに加え、ボッシュ社製レースABSやスリッパークラッチを標準装備するなど、最先端電子制御をフル装備した、まさに勝つための性能に徹した戦闘マシンと言える。
軽量コンパクトな車体に猛烈なパワーを宿すRSV4ではあるが、日本仕様はイメージしていたよりもずっと乗りやすい。V4らしい中速域の爆発的なトルクが持ち味だが、従来型に比べて明らかに出力特性がスムーズで扱いやすくなったのは電子制御技術の進化の恩恵だろう。特に低速域でのガサガサ感がなくなり、初期のアクセルレスポンスが穏やかになったことでUターンなども普通にこなせる。シートは高く前傾はきついが、ドライバビリティそのものは素直で扱いやすい。ハンドリングはとにかく軽快、というよりも「鋭い」と言ったほうが正確かも。エンジンなどの重量物を感じさせないフットワークの切れ味はV4ならではだ。
サーキット走行をメインに考えている方はもちろん、ストリートでも性能の美学に酔いしれたい方にもおすすめしたい一台だ。
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