このマーナ最大の特徴は、トランスミッションに電子制御代のCVTを採用していること。つまりクラッチ操作が不要だ。マーナに跨り最初に気付くのは、やはりクラッチレバーが存在しないこと。マニュアル車であれば、走り出す時や止まる時には必ずクラッチを握る動作が介在する。慣れたライダーほど無意識に行っている動作だけに、余計気になるものだ。
だが、その違和感も走り出してしまえばすぐ慣れる。それほどマーナのミッションは完成度が高い。ライダーがギアを選択できるシーケンシャルマニュアルモードと、バイク任せで走れるオートマティックモードの二つのモードがあり、当然どちらも試してみた。スロットル操作に対する反応は、マニュアルモードに分があるようで、よりダイレクトにマシンを操っている感覚を楽しめる。オートマティックモードは、ややダルな感じを受けるのだが、街中や流して走るようなシチュエーションでは、スロットルのオン・オフだけで走れる気楽さが嬉しい。最高出力は76.1馬力と、数値的には驚くべき点はないが、全域でトルクが厚く十分以上に力強い走りを見せてくれた。
クラッチ操作という本来必要だった要素が取り除かれた分、マーナはシンプルに走りに集中できるともいえる。また、エンストを考えなくて良いので、Uターンが非常に容易であったことは是非ともお伝えしておきたい。渋滞路のゴー&ストップでの優位性については、言及するもでもないだろう。メカニズムもユニークだが、バイクとして面白い一台だ。
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