アプリリア・スカラベオと言えば、大径ホイールスクーターの代名詞的存在だ。本国イタリアでは500ccまでシリーズ展開されていて、現在日本国内では125cc、200cc、250ccの3モデルが販売中である。今回は、シリーズの中核をなす200に試乗する機会を得た。
現車を前にすると、全体的に腰高な車体だと気が付く。跨ってみてもその印象は変わらないが、前後16インチのホイールを備える車体は、走りの良さを予感させる何かを醸し出している。
普段スクーターに乗らない筆者の場合、試乗に際しては段差やフロントの切れ込みにナーバスになるが、スカラベオに対してはそんな気構えは不要だったようだ。ハンドリング実に自然なのだ。
峠道でもその印象は変わらない。ただ、速度域が高すぎたり、強風の中ではフロント周りの挙動に頼りなさも感じるが、メインステージの街中では、そうしたネガな部分が顔を出すことは無いだろう。
さて、気になるエンジンはスロットル開け始めでトルクの谷があるものの、全域で力強い。高速道路でも臆せず追い越し車線に入っていけるほど頼もしい。また、エコ/スポーツのモード切替も搭載し、エコモードでは燃料消費率を約7%抑えられるという。その違いを走りから感じ取るのは難しいが、逆に言えばそれだけ高度な制御ということだろう。
ラゲッジスペースの使い勝手こそ国産車には譲るが、それを差し引いても魅力的に映ってくるのは、イタリア車ならではの魔力だろうか。
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