アプリリア・トゥオーノV4 R APRCは、スーパーバイクRSV4 Rをベースにしたネイキッドモデル。RSV4 Rとは、ディティールに似通った部分が多くイメージがダブるのだが、単純にカウルを剥ぎ取り、バーハンドル化したような安易なバリエーションモデルではない。。
マシンのキャラクターを左右するフレームは専用設計品。ホイールベースがRSV4 R比で25mm延びているのだが、スイングアームは共通部品。つまり延びた分は全てフレームの変更によるもの。合わせてキャスター角度も寝かされている。
ネーミングにあるAPRCとは「アプリリア・パフォーマンス・ライド・コントロール」の頭文字をとったもので、トラクションコントロールを軸にした複合的ライディング補助電子デバイスである。一般公道での試乗で速度域も低く、路面状況も悪くなかったためAPRCの恩恵にあずかる場面はなかったのだが、いざという時を考えると、安心感の違いは大きく、躊躇なくスロットルを全開にできるのは実にありがたい。なにしろ、このトゥオーノ恐ろしくパワフルなのだ。
日本仕様の最高出力は106馬力。200馬力に届こうかというマシンが多い中、スペック上は語るべき点がない。だが、パワーバンドに入った時の、体感的な加速力ピックアップは凄まじい。本当に速い。それでいてパワーデリバリーが驚くほどスムーズで、吹け上がりは官能的な一言。これほどエキサイティングなパワーフィールは、そうそう無い。是非、一度試してみてもらいたい乗り味なのだ。
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