ヤマハXJR1300Cは、従来からの国内向けXJR1300とは、見るからに別物のようだ。車輌の基本こそノーマルのXJRそのものだが、スリムになった燃料タンクに加えて、ヘッドライトの小径化、ゼッケンプレート風サイドカバー、ショートテールのシングル風シート装備などで、見事にスタイリッシュなカフェレーサーに生まれ変わっている。
実際に走ってみると、穏やかで優しいXJRの持ち味を損なうことなく、軽快でスポーティな印象がプラスされている。バランサーなしのエンジンは独自の方式でラバーマウントされ、空冷4発らしい心地良さはそのままに、乗り味がひと味違っているのだ。
車重が5キロ軽いことに加え、ハンドルのグリップ位置が若干高く幅広で入力しやすくなっていることで、軽快感が出ているのだろうか。
いや、それだけではない。明らかにステアリングフィールにガチッとしたダイレクト感がある。アルミ製テーパータイプハンドルバーは、中央のクランプ部が極太であるため、ハンドル周りの剛性が高まっているのだろう。このハンドルバーのアルミ化に加え、ヘッドライトの小径化によって、ステアリング系の慣性モーメントが小さくなっているおかげもあるようだ。燃料タンクはスリムで、ライダーの自由度が高く、ハンドルバーがあまり絞られていないので、積極的にマシンコントロールできる。やはりスポーティなのだ。
欧州市場に向けて企画されたカスタムXJR1300Cは、南アフリカ仕様が逆輸入車として導入されることになる。
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