1985年の初代225時代から、トコトコと山道を散歩するように楽しむマウンテントレールという遊びを提唱してきたヤマハのセローは、新たな排出ガス規制が施行されたことで、2017年に一度は生産終了となった。
しかしヤマハはその直後から、後継モデルを開発中であることを表明。そして2018年8月末、環境規制をクリアした最新版セロー250が発売開始となった。
従来型をベースに開発されたこの新型は、緻密な制御を実現する02フィードバック制御のフューエルインジェクションや、燃料タンク内から蒸発するガソリンを低減させるキャニスターを新採用。LEDテールランプとシャープなロングリヤフェンダーによって、リヤまわりのデザインにも変更を受けている。
最高出力は2馬力アップ、車重は3kg増となったが、コンディションが同じ従来型と直接比較でもしないと、明らかな力強さや重量増を感じることはない。つまりこれまで同様にトルクフルで、十分な軽快性がある。
ただし、極低回転域から高回転域までの吹け上がりには、明らかに従来型以上のスムーズさが感じられる。また、1速あるいは2速でクラッチを切らずに平坦路を超低速走行して、そこから大きくスロットルを開けたとき、まるでギクシャクしたりエンストしたりせずに加速する。これらの特性は、山遊びをするときもコミューターとして使う際にも、大きなメリットとなるだろう。
新型セローは、従来型と大きく変わっていないが、長所を継承しながら着実な進化も遂げているのだ。
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