スクーターらしからぬマッシブなスタイルや、本格的なオフロード走行をも許容する足周りを持つヤマハビーウィズ。オフロード系スクーターの元祖としてストリートでコアな人気を誇るモデルである。実は初期型の登場は1988年(TW200登場の翌年)という歴史あるモデルなのだ。TWといいビーウィズといい、ヤマハはストリートでウケる息の長い人気モデルの作り方が実にうまい。今回、久々に国内モデルとして復活したビーウィズに試乗して、改めてそう感じることになった。
一般的な原付スクーターよりひと回り以上も大柄と言って良い車体には、大径二灯ヘッドライトや極太タイヤ、パイプハンドルなど専用パーツがてんこ盛りである。これぞまさしくビーウィズワールド。
初代の頃からカスタムは人気だが、素のままでも十分に個性的な出で立ちは新型でも同じ。しかし、どこかに手を入れたいと思わせる部分を絶妙に残してあるのがヤマハの巧さ、といえるだろう。
では原付としての実用性はどうだろう? 車体が重いせいか、加速は多少かったるいが、極太のブロックタイヤは街中でもビックリするほど乗りやすく、ハンドリングも癖がない。日々の足としての積載性も最低限確保してあるから通勤や通学にも使える。装備が充実した原付はいくらでもあるが、ビーウィズに乗っていると、快適装備が欲しければカスタムしながら後から付け加えればいい、なぜかそんな気分になる。乗り手にそう思わせる部分こそ、ビーウィズが愛される理由なのかもしれない。
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