ルックスこそ1198の延長線上にあるものの、パニガーレは既存のドゥカティ製スーパーバイクとは完全に別物で、モトGPの技術を還元したモノコックフレームや、全面新設計のスーパークアドロエンジン、多種多様な電子デバイスなど、新時代の幕開けを感じる技術が随所に採用されている。
では発売から約3ヶ月が経過した現在、このバイクが業界でどう評価されているかと言うと・・・、ここまで分かれちゃうか思うくらい、賛否両論である。大絶賛する人がいれば、1198に軍配を上げる人もいる。これはなかなか困った事態だが、実は僕の頭の中にも、賛否両論はあるのだった。
まず“賛”について述べると、1198より安楽になったライポジと従順さを増したエンジン、あらゆる場面でライダーをサポートしてくれる各種電子デバイスのおかげで、このバイクは非常にとっつきがいい。だがしかし、パニガーレの潜在能力を本当の意味で満喫するためには、常に乗り手が戦闘態勢を維持する必要があって、その行為が必ずしも簡単とは言えないので、僕には少なからず“否”の要素が感じられたのである。
と、微妙なことを書いてはみたが、乗り手にある程度以上のスキルを求めるのは、過去のドゥカティ製スーパーバイクにも言えることだし、改めて振り返るとかつての851や916なども、登場時は大絶賛ばかりではなかった。そういう観点で考えると、現時点では賛否両論があるパニガーレだが、数年後には世界中で名車として認知されていそうな気がする。
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