ドゥカティの2012年ラインナップの中で、ミドルクラスのニューモデルとして登場したストリートファイター848。このバイクが素晴らしいのは、ネイキッドモデルとしての高い完成度にある。兄貴分となるストリートファイター(1100)よりも万人向けで、しかもドゥカティらしいスポーツ性もあわせ持つ。『水冷デスモ・クワトロの楽しさを、もっと多くの人に』というコンセプトのもと、車体からエンジンに至るまで専用で開発、各機能も先の共通目標に向かい作りこんだ結果だ。
ドゥカティのスーパーバイクファミリーには848EVOがあり、ストリートファイター848は、そのネイキッド版という位置づけ。だが、専用設計のシャシーや新開発エンジンが与えている内容を考えれば、まったくのブランニューモデルなのである。
848EVO用をベースに開発されたニューエンジンは、バルブのオーバーラップ角を、11度に設定することで低中速域でのパンチを出している。その性格は低回転からスムーズで、3000回転前後からダイレクト感を上乗せし、5000回転も回せばかなり元気に変化する。それ以上の世界はスロットルの反応もリニアで、スーパーバイク直系らしいアグレッシブな走りを堪能できる。
ポジションもストリートファイター1100に比べ、随分とラクになったので、ツーリングにも使えるようになった。モンスターではもの足りないというユーザーにオススメの、ハイパフォーマンスネイキッドである。
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