2016年に登場した新型ボンネビルシリーズの水冷並列2気筒エンジンを往年のリジッドフレームを思わせるロー&ロングな車体に搭載した「ボンネビル ボバー」をベースに前後16インチとダブルディスクなどで足回りを強化し、さらにダブルシートやビーチバーなどを装備して2人乗りもできる優雅なカスタムモデルとして仕立てたのが「ボンネビル スピードマスター」である。
新型スピードマスターを目の前にして思ったのは質感の高さ。どこから見てもディテールに隙がなく威風堂々としたスタイルはまさに「本格派」と言える出来栄えである。ポジションはベースになったボバーブラックに比べてハンドルが手前に引かれて上体が起きると同時に、ステップ位置が少し前に移動してヒザを伸ばした楽なフォームに。シートもやや厚みが増してホールド感を高めつつ、同時にタンデム対応となったことも嬉しい。
270度クランクを採用したボンネビルT120系バーチカルツインエンジンは元々のハイトルクな特性に加え専用チューニングが施されたことで、よりドラマチックな鼓動感と加速フィールが与えられている。このクラスとしては軽量コンパクトな車体でフットワークも意外と軽く、それでいてフロント130サイズのワイドタイヤ独特のゴロっと転がるように曲がる感覚が楽しい。パワーモードやトラコン、ABS、クルーズコントロールなど最新デバイスが装備されており、ツーリングでもリスクや疲労低減に大いに役立つはずだ。クラシカルな見た目によらず、実はオールラウンダーでもあるのだ。
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