手に入れた車体を自分好みにカスタムする。チョッパーやボバーと呼ばれるスタイルを楽しむユーザーの多くが、長い年月をかけてじっくりと愛車を仕上げていく。気が付けばカスタムにかけた金額が車体購入金額を遥かに超えることもしばしば。また、好みやトレンドの変化に翻弄されて、理想とするスタイルへたどり着くのに随分と遠回りをしてしまう、というのもよくある話である。
プロトが開発・製造・販売を手がけるロードホッパーシリーズは、車両メーカーがプロデュースする歴とした量産車。近年のチョッパー界では、コンパクトでナローなスポーツスターの人気が高まっている。その“スタイル”と“メーカー品質”の両立が具現化された1台といえる。
とはいえ、タイプ2iのスタイルは巷に溢れるカスタムとは一線を画す存在感だ。なんとフレームはリアサスを持たないリジッドフレーム、フロントフォークは油圧ダンパーを備えないスプリンガーフォークなのである。タイプ2iは、新車でありながら、半世紀以上前の骨格を現代の技術で再現した車両なのだ。
しかしながら、エンジンは最新のスポスタの物を使用するため機械的な信頼性は高く、前後ブレーキにもディスクを採用するなど、乗り手を選ぶ気難しさはない。
もしこうしたスタイルのスポスタが理想なら、タイプ2iは賢い選択と言えるだろう。価格もカスタム内容を考えるとバリュープライスだし、何より質感の高いタイプ2iはカスタムベースとしても最高の素材なのである。
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