10万円を切る車両価格で、今話題となっているホンダのNAVI110。リーズナブルなプライスの秘密は、インド生産。原付二種クラスは海外生産が主流だが、それにしてもNAVI110の価格は飛び抜けて安い。しかも、跨って乗るタイプの、いわゆる「オートバイ」のスタイルを持っているところがポイントだ。
とはいえ、エンジンはユニットスイングタイプの自動遠心式ATミッションで、フレームはアンダーボーン式。スクーターのステップボードを廃して、左右独立のステップに変更したものと考えると理解しやすい。こうした車体構成を持つ車両は、長いバイクの歴史の中でも数モデルしか存在しない珍しいジャンル。どんな走りを見せるのかと興味津々で試乗に望んだのだが、これが想像していた以上に「バイク」だったのだ。
ニーグリップ出来ることで安定性に優れ、乗車感覚は完全に「バイク」。ATミッションにも関わらず、減速時に右足がブレーキペダルを探していた。4ストローク空冷単気筒110ccのエンジンは、原付二種クラスのライバルと比べても十分なパワーを確保。街乗りで不満を感じることはなかった。ただし、前後ドラム式のブレーキはもう少し制動力に余裕が欲しい。各部の仕上げにも甘さが残るが、価格を考えれば納得の範囲だ。
今回試乗したのは、輸入を手がけるチョップスの試乗車。同店では、インドで販売されている純正オプションや、オリジナルのカスタムパーツ開発も行なっている。日常のアシとして使い倒すのにも、カスタムのベースにするのにも、車両価格の安さは大きな魅力。これは、ブームになりそうな、注目のニューモデルだ。
|