新型アフリカツインは先代モデルと同様、ツアラーとしての高速巡航性能とオフロードでの卓越した走破性の両方を兼ね備えたアドベンチャースポーツである。
走り出して感じたのは扱いやすさ。特にオフロードでのコントロール性は、予想を上回るものだった。DCT仕様はオートマで自動変速してくれるが、新たに採用された3段階の「Sモード」やトラコン、オフロード用ABSが、まるでエキスパートライダーのような巧みさでライディングをサポートしてくれる。マニュアルモデルも試してみたが、正直なところDCTのほうが楽で速い。それほど進化したDCTとオフロードのマッチングは優れている。
一般道ではツアラーとしての資質も確認できた。並列2気筒270度クランクならではの小気味良いパルス感に包まれながらのクルーズは心地よく、高速道路ではウインドプロテクションの良さに脱帽。オフロード仕込みのしなやかな前後サスは、オンロードでは快適な乗り心地にも貢献している。ハンドガードとオプションのグリップヒーターもありがたい装備だ。アウトバーンでも実地テストしたという加速性能も含めて、スペック以上の速さを秘めていると感じた。
林道では前述の電子デバイスをフルに使って、落ち葉や砂利、ワダチのある泥濘をもいとも簡単に走破し、タイトなワインディングでもフロント21インチを感じさせない軽快感で走り抜けていく。
新型アフリカツインは従来のアドベンチャーの枠を超えて進化したモデルと言えるだろう。
|