7年ぶりに、あのVFRが戻ってきた。しばらくカタログ落ちになっていたのだが、やはり昨今、人々が求める形は、こうした現実的なバイクということのようだ。
もちろん、単なる再販ではない。基本は06年型だが、シート出しだったマフラーは右下1本出しになり、リアフレームはスチールパイプからアルミダイキャストへと変更。その他、スイングアーム、ホイールなど、いくつかの刷新によって、車重を9kg減量すると同時に、マスの集中化、低重心化が図られている。
また、左右両サイド配置からセンター配置になったラジエターによって、カウル幅を40mm狭小化。空力的にも重量バランス的にも有利なデザインとなった。そして、新設計されたスイングアームは、減量と剛性バランス改善に役立っている。
従来モデルとの違いは、跨っただけでも明らかで、軽く、ひと回りコンパクトな印象だ。走っても、ハンドリングは素直で、高い旋回性を実現しているし、ABS付きブレーキは、前後連動機構が廃されたものの、マシンコントロールがしやすく、本来のスポーツ性を取り戻した。
エンジンはトルクフルになり、特に中高回転域でV4らしさを活かし切った力強さを味わうことができる。02モデルで気になったバルブ数切り換わり時の異音も気にならず、とても上質。加えて試乗車には、オプションのオートシフターも装備され、快適性とスポーツ性が高次元で両立されていた。
さらにシート高やハンドル位置調整機構も追加されたニューVFRは、これまで以上に幅広いユーザーから支持されることになりそうだ。
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