13年の4月からラインナップに加わったCRF250Mは、オフロードモデルのCRF250Lをベースに、前後17インチのロードタイヤを履かせたモタードモデルだ。
一般的に、オフロードモデルをモタードに変更する場合、オフロード前提で設計された足周りは、当然、根底から見直さなければならない。そのためにホンダのエンジニアは、キャスター角をCRF250Lの°27′35から°25′45に変更。合わせてサスペンションのセッティングも変更した。その結果、CRF250Mのハンドリングは、ほぼニュートラルな特性を獲得。この手のモディファイでは、しばしば問題となるコーナーで切れ込むようなクセも無い。サスペンションは初期ではしなやかに、奥ではしっかりと踏ん張るロード寄りのセッティングだ。これにより、コーナー手前でブレーキをかけてサスを沈ませ、車体を傾ければ思い描いたラインをトレース。実に気持ちの良いコーナリングを楽しめる。また、高速安定性に関しては、タイヤの性能と相まってオフモデルの250Lとは比ぶべくもない。市街地では、その運動性に加えて、アイポイントが高いお陰で、周囲のクルマの動きを掴みやすく、余裕を持ったライディングを楽しむことができる。
エンジンのトルクはフラットな印象。低回転から力強く、高回転まで気持ちよく吹け上がる。さすがに超高速域では、不快な振動が発生するが、常用回転域なら高速走行も苦にならないと思えるほど、振動も抑えられている。さらに燃費にも優れているというオマケ付き。
日常からツーリングまで、なにかと使いやすい1台なのだ。
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