ホンダの「ニューミッドコンセプト」シリーズにインテグラが加わった。62度前傾並列ツインエンジンやフレームは、オンオフスタイルのNC700Xや、ネイキッドスポーツモデルのNC700Sと共通だ。「スクーティング・モーターサイクル」というネーミング通り、走りはバイクに近いスポーティさで、ビッグスクーターのソフトさとは別物。車体剛性も充分にある。
走りがおもしろいのはDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)であることも大きい。スクーターのように無段階ではなく6速を自動変速する仕組みで、ATにはDモード(通常)とSモード(スポーツ)がある。さらにAT中でも左手側のスイッチでシフトダウンもアップも可能で、コーナー進入や追い越しも不安なくできる。MTでは同じスイッチで通常クラッチより素早くスムーズに変速できるから痛快(F1のパドルシフト感覚)。ワインディングロードではMTでギアを固定すれば、コーナリング中に不意に自動変速する心配もない。このDCTはVFR1200Fに次ぐ2世代目で、変速音もショックも洗練された印象。
コーナリング特性はナチュラル。ただ、旋回性はNC700X/Sほどではなく、これは2車よりライダーが前輪から少し遠く低い位置に乗っているせいだと思う。もちろん前後17インチとスクーターより大径タイヤなので、ギャップの走破性やグリップ力は断然上。ABSが標準装着なのでブレーキングも安心。ケース類も装備できるからロングツーリングにも行ける。これは新しい乗り物の誕生だ。
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