ホンダから新しく送り出された50ccスクーター、『ベンリィ』。古いホンダ製バイクを良く知る人にはなじみ深い名前だが、新しい『ベンリィ』は、荷物の積載能力を優先的に考えたスタイリング。低中速を重視した新設計エンジン。クラスナンバーワンの容量を誇る燃料タンクと、1リッターあたり66kmという燃費。などなど、ビジネスモデルに特化して市場に投入された。
シート下に燃料タンクを装備する関係でメットインスペースを持たないボディは、低い位置にセットされたフロントヘッドランプの位置と、フラットで低いリアデッキが外観の特徴だ。
走り出してみると、スタートダッシュが良いことに驚かされる。その後、法定速度である30km/hを越えても加速感が衰えることは無い。また、前後連動のコンビブレーキを備えるブレーキも十分な制動力を発揮。ハンドリングは、フロントの12インチホイールと長いホイールベースとが相まって、適度に重く直線性に優れる。とまあ、良いことずくめの『ベンリィ』だが、リアデッキを空荷状態で走行した場合には、最大30kgの荷物積載分まで考慮したリアサスの硬さがやや気になってくる。
つまり、リアに荷物が積載されることを前提に設計された『ベンリィ』は、一般的な原付スクーターよりも優れた加速性能を持つ反面、乗り心地はやや硬めにセッティングされているのだ。とはいえ、そんなことは重箱のスミと思えるほど、トータル性能は高い。お仕事のみならず、日常の足にもオススメできる原付スクーターだ。
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