ホンダは90cc超~125cc以下クラスに10種類以上のモデルを投入している。ズラリと並んだラインアップのなかでリード125は、1982年の初期型登場以来、堅実な熟成を続けてきた。スクーターにどんな性能を求めるかは人それぞれ。でもシート下の収納スペースを重視する人にとって、リード125に勝るモデルはないだろう。何といってもカタログに、フルフェイスヘルメットが2個収まった写真を掲載している原付二種は、日本車では唯一、リード125だけなのだから。もっとも、形状やサイズによっては収まらないことがあるようだし、数値上の容量はヤマハ・アクシスZのほうが0.5L多いのだけれど、近年になって登場したグローバル指向の125ccスクーターの多くが、シート下の収納スペースはヘルメット1個+αで十分という姿勢で開発されているのに対して、リード125は現行モデルでも、利便性に関する妥協は一切していないのだ。
では実際走りはどうだったかというと、懐かしくもあり新鮮でもあった。軸間距離が1275mm、車重が114kg、ホイールが12/10インチのリード125の乗り味は、かなりキビキビしている。だから渋滞路での進路変更や狭路でのUターンが、いたって簡単に行えるのだ。都市部での使用がメインになるライダーにとって、この特性は有利な材料になるに違いない。改めて考えると、1990年代以前の原付二種スクーターは、ほとんどがそういった特性を備えていたのだけれど、現在の視点で考えるなら、リード125は貴重な存在と言っていいのではないだろうか。
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