CBR600RR国内仕様が久々に大幅なモデルチェンジを受けて登場した。見た目で大きく変わったのはスタイリング。特にフロントマスクは、従来の鼻先の尖ったいわゆる“CBR顔”から一転、ショートノーズのツリ目になっている。前後のアルミキャストホイールは、CBR1000RRと共通イメージの12本スポークタイプとなり、グレード感も高まっている。
エンジンは従来通りだが、ラムエアダクトの改良により高回転域でのトルク特性が向上しているとのこと。ストリートではその領域まで回す機会はなかなかないが、高速道路などではピークに向けてのパワーの盛り上がりにその一旦を垣間見ることができる。国内仕様と言え、実際に乗ってみればスペック以上の“速さ”を体感できるはずだ。
一番の変化はBPF(ビッグ・ピストン・フロントフォーク)の採用だろう。フロントフォークの初期作動がとてもスムーズで乗り心地が良くなっているし、ブレーキング時のダンピングの立ち上がりにもグレード感が増した印象を受ける。
ハンドリングは極めて素直。軽快ながらも落ち着きがあり、誰でもとっつきやすい。電子制御式コンバインドABSも自然な操作フィールで、いざとなればエキスパートライダー並みの強力な制動力をビギナーでも瞬時に発揮できるスグレモノだ。ライポジもスーパースポーツとしては、シートも低め、前傾も緩めで楽できるところがいい。
この扱いやすさ、安心感こそがCBRの美点。誰でも気負わずに乗れて、そして速い、まさしくスーパースポーツ界の優等生だ。
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