Off-Road Model GARRRR’s Pick!!

オフロードの名車XR250が生産中止になると聞いた時の、あの寂しさを覚えているライダーは全員、ホンダCRF250Lの発表に心が踊ったはず。
　30年以上の歴史を持つXRのネーミングを捨てたことや、コストパフォーマンスを重視した各種装備に賛否両論はあったが、発売されてみれば広く市場に受け入れられ、その人気に後押しされるように、車種専用カスタムパーツも充実してきた。ホンダ製オフロードトレールの復活を待っていたライダーだけではなく、新しい層を発掘できていることが、CRF最大の成功だと思う。
　本格的なオフロードコースで大きなジャンプをこなすようなポテンシャルよりも、週末に林道をトコトコと安心して走れたり、街中でスムーズに扱えたりといった性能を強く意識した乗り味。乗り込むにつれて「これでいい」が「これがいい」に変化していく。
　オフロードを深く知るライダーこそ、CRFを高く評価する傾向があるのは『オフロードトレール』に必要な物は何か、を知っているからであり、CRFにはそのすべてがある。日常の友として気軽に付き合えるキャラクターと、山に入って行った時の安心感。そのふたつが完璧にバランスしていること。オフロードでの運動性能だけにフォーカスしたモトクロッサーやエンデューロレーサーなど、そういうトガったモデルにはないCRFならではの『丸さ』は、あの名車XR250の佇まいを強く思い出させてくれるものだ。