

バイク用のエンジンにはさまざまな形式が存在するが、直列にV型、水平対向など、同じシリンダー数を持ちながらも2気筒だけはじつにバラエティ豊か。そして、それぞれに乗り味が異なり、スポーティに振ったものもあれば、鼓動感を最重視したものもある。今回はそんな「2気筒」をフィーチャー。その魅力を掘り下げていきたい。
Photo/Shigeru Tokunaga
Text/Tomohiko Nakamura・Toshiyuki Sagayama
バラエティ豊かな2気筒は今やバイクエンジンの主流
かつて、バイクに搭載されるエンジンといえば、直列4気筒がメインだった。1969年にホンダがCB750フォアを発売して以来、特に日本では「多気筒・高出力こそが正義」とばかりに、4気筒エンジンはどんどん進化を遂げていったのである。今でもCBR1000RR-RやニンジャH2など、各メーカーが威信をかけたフラッグシップモデルには4気筒エンジンが搭載されている。
しかし近年、明らかにそれとは異なる動きがある。そう、それが2気筒エンジンの進化だ。MT-07やNC750、ニンジャ650など、テイストフルでありながら、スポーツ走行も楽しめるモデルが人気を集めているのだ。扱いきれないパワーよりも、自分の力量で十分に楽しめる・・・それが支持を集める最大の要因なのだろう。
そして今年、2気筒ファンを騒がせるニューモデルが発表された。それがここに紹介するR18。BMW史上最大排気量となる1802cc水平対向2気筒エンジンを搭載するクルーザーである。クラシカルなフォルムに大きく張り出したエンジンはインパクト抜群!! もちろんエンジンの鼓動感にも期待は高まる。
R18の登場によって、どうやら2020年は2気筒がますます盛り上がることになりそうだ。
BMW伝統のボクサーエンジンが
未だかつてない進化を遂げた!
BMW Motorrad
R 18
2019年に開催された「EICMA」などで話題となっていたBMWの新型クルーザー「R18」がいよいよ国内でも発表された。注目すべきはなんといっても、1802ccの排気量を持つ空油冷水平対向2気筒エンジン(ボクサーエンジン)。同社はボクサーエンジンを70年以上にわたって作り続けてきたが、今回はその歴史上最大排気量。R1250RSなどでボクサーならではの味を残しつつ、スポーティに進化させた同社の水冷エンジンとは明らかに一線を画し、この「ビッグボクサー」は独自の進化を遂げたと言っていいだろう。価格や発売時期も未定のため、現時点で試乗はかなわないが、その乗り味には興味津々。本誌でも動きがあり次第、試乗インプレッションなどを行う予定だ。