スペインのバイクブランドで、現在はイタリア・ピアッジオグループの傘下となっているデルビ社。ランブラ250iは、前後15インチの大径ホイールを履いた、そのデルビ社の最新ATシティコミューターなのだ。
じつはこのモデル、デルビ社と同じピアッジオグループ傘下のアプリリア社が製造するスクーター、スポーツシティキューブ250IEがベース。
外装デザインには多少の違いがあるものの、エンジンや車体の骨格部は、ほぼ共通となっている。ただし、軽さやコンパクトさを追求したランブラは、またがるとまるで125ccクラスのような印象。欧州ブランドの製品で、しかも大径ホイールなので、シート高はかなりある。けれど、車体が軽いのでツマ先立ちで支えることも、それほど大変ではない。
ユニットスイング式の「クオーサー」エンジンはピアッジオ社製。数多くのブランドに供給されていて、その性能には定評がある。とくにインジェクションとなって、スムーズさに磨きがかけられた。
ランブラに搭載されるクオーサーは、発進から20km/h程度までがのんびり屋。そこから上で鋭い加速力を発揮する仕様。軽いボディとの組み合わせにより、侮れないダッシュ力をみせる。しかも、メーカー発表の最高速度が130km/hということからもわかるように、高速域まできれいに伸びる。極低速域で過敏すぎないのも、Uターンや渋滞路での使い勝手を考えると、むしろ評価できるポイント。
いっぽうで車体は、ショートホイールベースと大径ホイールの組み合わせにより、鋭い旋回性とコーナリング時の安定感が、うまくバランスされている。街でもちょっとした峠道でも扱いやすく、軽快に楽しめる。
また、欧州ブランドの250ccスクーターでありながら50万円を切る価格も魅力。サイドスタンドが標準装備されていないのがちょっと残念だけど、速くて軽快なATコミューターが欲しいというひとには、かなりお薦めの1台になるだろう。
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