10月デビューしたBMWモトラッドが誇るトップエンド高速ツアラーK1600B。水冷6気筒、低重心バランス、クルージング装備、積載性は、まさにすべてのバイクのトップエンドに近しい存在と言えるかもしれない。
ポテンシャルがもっとも発揮される高速で、その本領を味わってみる。するとどうだ。K1600Bがまさに水を得た魚になった。その車格、重量を感じさせない低重心、遠くないハンドルポジション、フロントステップボードなど、まずライダーを快適な姿勢に誘ってくれる。ロングライドの快適性が圧倒的に重視されているのだ。
装備に注目する。クルーズコントロールをオンにし、良質なスピーカーから流れる音楽がツーリングをますます贅沢にしてくれる。モードを「ロード」から「クルーズ」にすれば、道路の継ぎ目などのショックがフカっと和らぐ。もはや魔法のじゅうたんだ。この感覚はバイクではなかなか得られるものではない。グリップとシート、タンデムシートそれぞれに装備されたヒーターも、まさにバイクの贅沢を極めている。
「高速ツアラー」、まさにロングライドにおけるライダーの快適性を重視したモデル。だからこそ、グリップヒーター、クルーズコントロール、ABSやトラクションコントロールといった電子制御が、身体的疲労を補ってくれるので本当にありがたい。
旅の1分1秒を、濃密に、ラクで安全に、そして楽しみながら走りたいと考えるなら、この選択肢はおおいにアリだろう。
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