BMWモトラッドが、今年夏前に日本市場へ投入した単気筒モデルがG650GSだ。そして9月、派生モデルとしてオフ寄りの装備を持つセルタオが追加された。かつて、国内では単気筒のFシリーズが発売されており、通常モデルとオフ寄りの『ダカール』を併売していた。今回のセルタオ投入により、単気筒Gシリーズも従来同様のラインナップが実現した。
車体構成は、基本的にG650GSと同じ。ただ、オフロードでの走破性を高めるために、アンダー&ハンドルガードを追加して前後ホイールをスポークタイプへと変更、同時にフロントホイールを21インチと改めている。実際に林道へ分け入ってみても、前後サスペンションはよく動いてくれるし、こぶし大の岩がゴロゴロするガレ場でも前輪が大きく取られることもない。またスリムな車体のおかげで、乗車姿勢を問わず前輪や足元が見やすく、安心感がある。
エンジンはかつてのFシリーズ同様に穏やかで扱いやすい。林道で1速や2速をキープして低回転域を使用する場面でも、アイドル回転数から右手の動きに追従してくれる。もちろん、レッドゾーン近傍ではビッグシングルらしい荒々しさも味わえるから、腕に覚えのある人ならかなり遊べる。特筆すべきは燃費の良さで、ダートでも高速ぶっ飛ばしでも平均燃費は約26km/Lを記録。エコランを意識すれば、30km/Lも見えるほどの経済性を持ち合わせている。
車格、特性、経済性と、全てが丁度いいセルタオは、マルチに遊べる一台と言えるだろう。
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