1978年、BMWはドイツ製品らしくスピードと快適性を高い次元でまとめたスポーツラグジュアリーツアラー、R100RTをリリース。以来、常にこのセグメントをリードし続け、ここで紹介する数えて4世代目となるニューモデルを14年に発表した。
この新型RTは、単体で小型化された新世代水冷水平対向2気筒エンジンを採用すると同時に、駆動系、吸排気系レイアウトを変更。加えて電子制御スロットルとダウンドラフト吸気によって、燃料タンク、エアボックスの配置も変わり、より低重心とマスの集中にも貢献、車体レイアウトが理想的なものになった。また、あらゆる電子制御系も進化した。
外観がシャープになった新型のイメージは、走り出してもそのまま体現されている。トルク、パワーを向上させた新エンジンは、2000回転からたっぷりとしたトルクを生みだし、よく調教された電子制御スロットルのマップとあいまってとても乗りやすい。ハンドリングもライダーの意志通り。動き出すと、巨体の重みがスッと消え、パニアケースが付いたバイクとは思えないほど軽快だ。
市街地から、郊外のバイパス的な道路でも印象は変わらず、峠道に行けば、さらに一体感は高まる。むしろ、走りを楽しみたいと思えるタイプで、スポーツバイクを追いかけ回す実力を秘めている。
さらに走行中はクラッチ操作無しでシフトチェンジができるオートシフトアシストプロも装備し、走りに集中することができる。セミアクティブサスの採用もあり、車体姿勢は常にフラットな印象。高速道路はまさに独壇場。BMWは、またもやこのクラスを一歩リードした。
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