SYMは、かつてホンダの技術協力を得て、おもにスクーターをライセンス生産していた台湾メーカー。現在ではホンダとの提携を解消し、独自で車両を開発している。ラインナップの大半はスクーターだが、今回紹介する車両は同社初の250ccスポーツモデルだ。
そのスタイルは、スラント形状のヘッドライト、エッジの効いたラジエターカウルなどが特徴的なストリートファイター系。そこに単気筒4バルブエンジンが組み合わせられている。
またがってみると、車体はとてもコンパクトだ。エンジンの燃料供給はFI制御で、気温の低い冬の朝でも始動性は良好だ。その出力特性はフラットで扱いやすいもの。内部にはバランスシャフトが組み込まれ、シングルらしいパルス感を残しつつ、不快な振動を減らしている。
ブレーキは、250クラスでは珍しいラジアルマウント式。初期の効きはマイルドだが握り込むほどに制動力が高まるという、コントロール性に優れたものだ。
ハンドリングは軽快。そこにエンジンとブレーキの特性があいまって、スポーツバイクとして成立している。加えて、車両価格がリーズナブルなことも大きな魅力だ。オープン価格であるため、ここで具体的な数字を提示することはできないが、おおむね同クラスの国産モデルより10万円強安価であると考えれば良いだろう。
試乗した車両は台数限定で輸入されたもの。だが、3月から車名を“T2”と改め、通常ラインナップとして販売される予定というから楽しみである。
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