激戦を極める国内スクーター市場で、個性的なモデルのリリースが目立つ台湾メーカー。中でもひときわ異彩を放っているのが「PGO」だ。その同社最新作のX-HOT150EFIに試乗してみた。
見た目の印象どおり、走りの方も一般的なスクーターとは大きく一線を画すものだ。エンジンは極めてパワフルで、電気モーターのようなレスポンスで狙い通りのパワーを瞬時に発揮してくれる。排気量は149.5ccながら、グリグリとしたトルク感もあり、開けて走ることが実に楽しい。
元気なエンジンを受け止める足周りも、スプリングレート、ダンパーともにかなりハードな設定で、スクーターにしては珍しく走りに徹したセットアップだ。そっとシートへ荷重移動するだけで、リアタイヤから強い旋回力が引き出せ、それを積極的にコントロールすれば、フロントブレーキを残したまま進入するようなコーナーリングすらできてしまう。
ただ、スポーツ志向が高まるほどスクーターとしての機能性に不安が残るが、シート下トランクの容量もまずまずだし、ステップボードをキャリアとして使用できるフックを装備するなど、日常での使い勝手も十分に考慮されている。
個性的な外観や、走りを満喫できる車体作りで乗り手を楽しませる工夫をしながらも、スクーター本来の目的も決して置き去りにしないモデルを生み出したPGO。国産とはひと味違うエッセンスの車両を生み出すメーカーとして今後の動向にも注目しておきたい存在といえるだろう。
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