ファンティックのキャバレロファミリーとして、フラットトラック、スクランブラーに続いて登場したラリー500。オリーブドラブカラーの車両は、全体的にコンパクトなものであるが、シートは高め。ただサスペンションストロークが多く取られているということもあり、乗車してしまえば割と沈み込む。これは本格的オフロードバイクを連想させるものだ。
キーをまわし、セルボタンを押すと、排気量449ccのシングルエンジンは、想像していたよりも軽く目を覚ました。これは94.5×64mmのビッグボア&ショートストロークという設計のエンジンということもあるだろう。このエンジンは軽く吹け上がる上に、スロットルに対する反応は過剰すぎず、反対にダルでもないという扱いやすいセッティングとなっている。最高出力40馬力、最大トルク43Nmというポテンシャルは、オンロードでこそ扱いきれるものだが、オフロードではかなりの戦闘力となる。前後200mmというストローク量を誇る動きの良いフルアジャスタブルサスペンションとの組み合わせにより、オンロード、オフロード問わず、冒険へと誘う相棒として最適なものとなっている。
ファンティック自体が、まだ日本のマーケットに入ってきたばかりなので、広く知れ渡るのはこれからのことだと思う。しかし見て良し、乗って良しの美味しいバイクがラインナップされているので、ストリートを走る姿や、口コミなどで、一気に拡散することを感じさせてくれたブランド、ファンティック。この機会に、人よりも先に手を出してみるのも一興だと思うが、いかがなものだろうか。
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