東欧クロアチアにて開催されたジャーナリスト向け試乗会で乗ったのは、スポーツスターの新作「アイアン1200」。ふてぶてしいフロントマスクを演出するビキニカウルと、大胆に迫り上がったアップライトなハンドル、そして70年代のハーレーによく見られたカラフルなタンクグラフィックスが目を引く。
エンジンはトラディショナルな空冷OHV2バルブのV型2気筒。ニューモデルと言えども熟成されたパワーユニットで、低速から全域にトルクフルで扱いやすい。
ハーレーと言えどもドコドコとした大袈裟な鼓動感はなく、粒の揃った滑らかさやスムーズさがあり、無駄のない燃焼をスロットルレスポンスの良さからも感じる。振動も穏やかで、乗り心地も決して悪くない。
このコンフォート性の高さを考えると、18年式で姿を消してしまったダイナファミリーの役割も、最新のスポーツスター1200モデルは担っていると言える。それほどに快適で、ロングランも苦手にしないのだ。
ただし、フロント19インチに細身のタイヤを履いた足まわりのハンドリングは軽快そのもので、これがスポーツスターらしさでもある。チョッパースタイルとなってもワインディングでは身のこなしが軽く、ミッドコントロールのステップが路面を擦りつけるまで車体を寝かし込んでもなお、もっと深く倒し込めとライダーに訴えかけてくる。そんなアグレッシブさも忘れていないからスポーツスターは面白い。エンジンも車体構成もニューモデルにして、すでに完成された域に達している。
|