ハーレーダビッドソンの上級シリーズ「ツーリングファミリー」に搭載されるエンジンが新しくなった。その名も「ミルウォーキーエイト」。ミルウォーキーは同社が1903年の創業以来113年もの長い間、本社を構えるアメリカ・ウィスコンシン州にある都市の名。エイトは8バルブ(1気筒あたり4バルブ)を示している。
もちろん伝統のVツインを受け継ぎ、1689ccだった排気量は1745ccにまでスープアップ。情報を日本で知ると、居ても立ってもいられずアメリカ・タコマ(ワシントン州)でのメディア向け試乗会に駆けつけた。「4バルブ化によって、ハーレーが味気ないものになってしまったのでは・・・!?」という一抹の不安を抱えながらの渡米だったが、乗ってみると一安心。鼓動感に満ちあふれるハーレーのビッグツインらしいエンジンだった。
美しさにこだわっているのは相変わらずで、シリンダーには冷却フィンが刻まれ、Vバンク角45度のロングストローク設計やOHV特有のプッシュロッドも健在。これまでのツインカムエンジンでは、その名のとおりカムシャフトを2本備えていたが、今度はシングルカムに戻しているのが大きな特徴。シンプルな構造によって整備性や信頼性を向上するだけでなく、「これぞハーレー!」と言わんばかりのダイナミックなトルクフィールを獲得している。
フロントにショーワ製のデュアルベンディングバルブ・フォークが新採用され、乗り心地も向上。身のこなしが軽快でワインディングもキビキビ走る。ホットロッドバガーの走りがますます熱くなったのだ!
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