ハーレーダビッドソンにはCVO(カスタム・ビークル・オペレーションズ)というファクトリーカスタムがラインナップされるが、その最高峰モデルがCVOリミテッドとなる。500万円超のプレミアムモデル、その魅力に迫ろうとアメリカで試乗を行った。
フラッグシップに相応しい迫力ある車体は隅々までカスタマイズされ、手の込んだペイントに惚れ惚れするばかりだが、その真価は豪快な走りのなかにある。
エンジンは1846ccもの排気量を持つミルウォーキーエイト114を搭載。低中速の図太いトルクは圧倒的で、クラッチを繋いだ途端、巨体を悠然と加速させ、一気にクルージングスピードに到達。そこからは、乗車前に感じていたボリューム感は記憶から薄れ、軽やかな操作フィールとなるから面白い。
存在感のあるバットウイングフェアリングはウインドプロテクション効果が高く、乗り手は余裕のハイウェイクルージングが楽しめる。乗り心地が良いのは、エンジンに一次振動を75%低減するカウンターバランサーを内蔵したことと、前後サスペンションをグレードアップしたことによるもので、ショーワ製のデュアルベンディングバルブ・フォークとハンドアジャスターを備えたリアショックは、大きな段差を乗り越えても衝撃をしなやかに吸収してくれる。
シフトチェンジ時にギアが滑らかに噛み合う感覚や、ブレンボ製ブレーキシステムのタッチやコントロール性の高さは、さすがはCVOと言いたくなるもので、上質さにいっそうの磨きがかかっていた。まさにキング・オブ・ハイウェイだ!
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