デュアルヘッドライトの大型カウルが特徴のFLTRロードグライド。大柄な車体や、個性的なデザインが目を引く車両だが、カウルがフレームにマウントされていることもあり、ツーリングファミリーの中でも特に軽快なハンドリングを実現したモデルなのだ。
そのロードグライドが10年の時を経て、ついにハーレーのフラッグシップの代名詞たる“ウルトラ”の名を冠した“FLTRU103 ロードグライド・ウルトラ”として姿を表した。キングツアーパックや103キュービックインチ(1689cc)にパワーアップしたツインカムエンジン、4スピーカーのハーマン/カードン社製アドバンス・オーディオシステムを採用するなど、その名に恥じない豪華装備を手に入れたのである。
とはいえ、ツーリングファミリーの真骨頂と言えばその走りだ。当初は特徴である軽快なハンドリングが「逆に直進安定性を損ねているのでは?」という不安を抱いていたが、心配は杞憂だった。 フロント130mm/リア180mmというタイヤ幅が路面を踏み締めるように安定感を生み、高速域での走行を快適にしてくれる。他にも、22.7リットルと十分な容量を誇るフューエルタンク、設定の自然なABS、よくチューニングされた4スピーカーのオーディオシステムなど快適な走りのための装備は文句なしの充実ぶりだ。
面構えについては好みが分かれるモデルだが、取り回しも軽く、体格を問わず快適な走りを楽しめるロードグライドの懐の深さは、一度体験してみるべきだろう。
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