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  フロント19&リア16インチという前後ホイールサイズに、スタイリッシュなタンクやナローフォークと、伝統のスポーツスター・スタイルを持つ唯一のモデルとして脚光を浴びることになったアイアン。それでも懐疑的な目で見られていたのは、ローダウンモデルゆえ。「バンク角の少なくなるローダウンはスポーツスターにふさわしくない」というわけだ。 
 そんなアイアンに対して、ハーレー本社は「本来のスタイルを崩すことなく走行性能をアップさせる」という課題を打ち出してマイナーチェンジを敢行。前後サスにシート、軽量化という改善ポイントが組み込まれたのだ。 
 なかでも前後サスペンションのグレードアップは目を見張るものがある。ローダウンモデルならではのスタイルを踏襲すべく、前後ともサスストロークは短いままだが、新開発のプレミアムサスペンションは柔らかいシートともあいまって、旧型とは比べものにならない快適な乗り心地を生み出した。 
 フロントサスのアップグレードとホイールの軽量化により、ハンドリングはよりコントローラブルになり、スポーツスターらしさが一層増した。前後サスの連動性をしっかり味わいながら操れるというのは大きな進化と言えよう。 
 スポーツスターの大きな市場である欧州からはダブルディスク化の要望があったそうが、それを却下してまで無駄のないスタイルを追求した新型アイアン。より高い走行性能が備わったこのモデルこそ、スポーツスターの正統後継者を名乗るにふさわしい一台だ。 
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