ソフテイルファミリーでマッチョスタイルのファットボーイと、ダイナファミリーでもっともカスタム色が強いストリートボブ。この2台を掛け合わせてできたのが『ファットボブ』だ。通常ダイナファミリーではフロントタイヤに21インチなどの大径サイズを履くが、このファットボブはファットボーイ譲りの16インチ極太タイヤを前後に採用する。デュアルヘッドライトが特徴で、ダイナファミリーの中でもとりわけ個性的なモデルである。
そのファットボブが2014年モデルでマイナーチェンジを行い、より力強いイメージになった。おもなポイントはエンジンと足周り、ヘッドランプ周りがクロームからブラックに変わったこと。さらにリア周りはテールとリアフェンダーの形状が変更。テールランプはヘッドライトと印象をともにするデュアルタイプになった。
車両に股がってみると、まずシートの座り心地に驚く。前後一体のセパレート形状から、フロント/リアの二分割に変更されたシートは、人間工学に基づいた設計で、優れたホールド感をもたらす。幅広のストレートバーハンドルと、ミッドコントロールのステップによるライポジは操作性も良好だ。搭載するエンジンは従来と同じバランサーを持たないツインカム96。ラバーマウントされるエンジンは、シリンダー一発一発の爆発とともにフレームの中で大きく揺さぶられるのが何ともワイルドだ。心躍らすビッグツインの鼓動感は、ある一定の回転数からマイルドになり、その後は振動も少なくなっていく。
モデルチェンジで唯一無二の個性を高めたファットボブ。走りも所有欲も満たす魅惑のマシンなのだ。
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