2001年にハーレーダビッドソン(以降HD)のラインナップへと加わったVRSCファミリー。ドラッグマシンを思わせる低く長いスタイルは、HDのなかでも異彩を放ち、唯一水冷エンジンを搭載しているのが特徴だ。2012年モデルからファミリー名も新たにV-RODファミリーへと変更になる。
さて、今回試乗したのはV-ROD登場から10周年を記念して発売されるVRSCDX ANV、通称V-ROD 10thアニバーサリーエディションだ。このモデルの元になっているのは2007年に登場したナイトロッドスペシャル。2008年にモデルチェンジが行われ、240サイズのリアタイヤを採用するなどの変更を受けている。
10thアニバーサリーエディションでの最も大きな変更点は、ステップ、ハンドル位置ともに手前へ持ってきたことでコンパクトなライポジを実現したことだ。以前のナイトロッドスペシャルでは、身長163cmの著者だと手足が伸びきってしまい、ライディングしにくかったのを覚えている。それがたった数cm変わっただけだが、車体がひと回りコンパクトになったと感じるほどだ。おかげでアクセルをガバッと開けて豪快な加速を堪能するだけの余裕も生まれる。ただし、すぐに接地してしまうバンク角の少なさはちょっとだけ気になった。
このマッシブなスタイルに憧れていたけど、身長の問題からあきらめていた人にこそ、乗ってみてほしい。シート高も十分に低く、女性でも安心してライディングを楽しめるはずだ。
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