かつてスポーツスターファミリーでのファクトリーカスタムモデルとして脚光を浴びた1200カスタムが帰ってきた。クロームメッキで覆われたエンジンにライザーやヘッドライト、メーター位置など旧タイプのスタイルを踏襲しつつ、ファットボーイなどビッグツインモデルに採用されている『ファットカスタム』の流れを取り込み、フロント16インチのタイヤや、17リットル容量のフューエルタンクなど新たなパーツが追加されて復活を果たした。
何よりもボリューム感のある足周りに目を奪われるが、ファットタイヤはFORTY−EIGHTとお揃いの16インチ。しかし装着するタイヤはミシュランのラジアルタイヤ『スコーチャー31』だ。ビジュアル重視型のFORTY−EIGHTにはない走りを重視した銘柄をチョイスすることで差別化を図っていることが伺える。
気になるのはコーナーや交差点でのハンドリングだが、一定のスピードを保ったままバンクさせても不意の切れ込みはなかった。改めて車体を確認すると、ステップ位置がミッドコントロールなのでライダーの体重が必要以上にシートにかかることがなく、その負担をハンドル、シート、ステップの3ヶ所にバランスよく分散している。一目見たときの印象どおり、やはりこのモデルはカスタムを楽しむことよりも、走ってナンボのモデルである。
本国ではチョイ乗りモデルとして使われることの多いスポーツスターだが、日本ではツーリングを楽しむユーザーも多く、そうした使用用途にも適したモデルと言っていいかもしれない。
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