ハーレーダビッドソンのなかでも屈指の人気を誇るモデル、ローライダーが復活を果たした。それも、一昨年までとは比べものにならないほどグレードアップして、である。
77年に登場したショベルヘッドエンジン時代のオリジナルをインスパイアしつつ、現代の道路環境を考慮し快適性を向上させた新ローライダー。ツインカム96エンジンとフレームは一昨年モデルからの引き継ぎだが、可変式プルバックライザーに取り外し可能なランバーパッド付きダブルシート、そしてやや前方に配置されたステップ位置と、小柄な日本人にもジャストフィットするようポジションチェンジが可能な仕様となっている。また、手が小さなライダーを考慮しグリップが細くなったことも忘れてはいけない。
フロントブレーキがダブル仕様となったのも大きなポイントだ。排気量1584ccというパワフルな走りを受け止めるストッピングパワーを手に入れたことで、エンジン本来のトルクや鼓動をしっかりと、そして安全に味わえるようになった。
スタイリングに関してもハーレーならではの心憎い演出が光る。シルバーとブラックのツートングラフィックにヘッドライトバイザーの復活、ローライダー専用の2in1エキゾーストは、79年当時のデザインを現代風に復刻させたもの。古き良き時代のハーレーを知る人なら、このスタイリングにグッとくることだろう。
百年を超える自社の歴史をリスペクトしつつ、「万人に愛される一台を」と尽力した末に生み出された新ローライダー。ハーレーダビッドソンのつむぐ歴史に新たな1ページを加えることになりそうだ。
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